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びじゅつがっこうじだい
美術学校時代
高村 光太郎
線上閱讀高村 光太郎《美術学校時代(びじゅつがっこうじだい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 7,454 字 · 15 頁
僕たち青年の眼には庭の色までもまるで毎日変化し、生き生きとして見えるようであった。そういう時代には何でも実に面白かったし、僅かな間ではあるが朝から晩まで実際大へんな勉強をしたものだった。当時はまだ電灯はなくて蝋燭やランプで、ランプも昔は五分芯三分芯などがあったが改良されて芯を丸くした空気ランプというのが出来、それが非常に明るいのでそれを使って一生懸命に勉強した。ホヤのついた西洋蝋燭の行灯みたようなものもあって、これはお客様用に使ったりしていた。
僕の住居は矢張り今の林町だったが、まだあの辺一帯は田畑や竹藪で道の両側は孟宗竹が密生していた。あの辺は江戸時代からお茶の畑が多く、今でも地つづきに武蔵狭山というお茶の名産地が残っている程である。そんなわけで所々に家があり、家と家との間は殆んど茶畑であった。学校にも近いので都合はよかったが、あの団子坂などが昔は随分と急な坂で人力車などは上ることが出来なかった。ようやく上っても今度は下りる時には止まらない。命がけで上ったり下りたりするような坂であった。下の谷中道の両側はずっと田圃になっており、山岡鉄舟の全生庵等があった。