輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
のうのなかのれいじん
脳の中の麗人
海野 十三
線上閱讀海野 十三《脳の中の麗人(のうのなかのれいじん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 13,774 字 · 28 頁
彼はびっくりして、吸殻を地上に放りだした。
「あははは、宮川さん。あなたは煙草を吸うようになりましたね、おそろしいもんだ」とつぜん背後から声をかけられ、彼は腰をぬかさんばかりにおどろいた。ぱっとベンチからとびあがってうしろをふりむくと、
「あっ、君は――」といった。
さっきの男だ。怪しいぎろぎろ眼玉の顔色のわるい、青年であった。
「君、君は一体だれですか」
宮川は、いつの間にか、またベンチに腰をおろしていた。蛇にみこまれた蛙といった態であった。
「僕ですか。僕をご存知ないのですか」
青年は、すこしずつ彼の方によってきた。
「知らないよ。人まちがいだ。早く向うへいってくれたまえ」
「そんなことをいうものじゃありませんよ。僕は矢部というものです。あなたはご存知ないかもしれないが、僕の方はよく知っています」
怪青年矢部は、つらにくいほど、ゆっくりした語調でいって、無遠慮に宮川の横にかけた。
「とにかく、僕は君に見覚えがない。たのむから、早く向うへいってくれたまえ」
「よろしい、向うへいきましょうが、ここまでついて来たには、こっちにすこし用事があるんです。金を五十円ばかり貸してください」