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じぶんとしとのかんけい

自分と詩との関係

高村 光太郎

線上閱讀高村 光太郎《自分と詩との関係(じぶんとしとのかんけい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 1,831 字 · 4 頁

青空文庫

こういうわけで私の詩は自分では自分にとっての一つの安全弁であると思っている。これが無ければ私の胸中の氤※(「气<慍のつくり」、第3水準1-86-48)は爆発に到るに違いないのであり、従って、自分の彫刻がどのように毒されるか分らないからである。余技などというものではない。

ところで彫刻とは一つの世界観であって、この世を彫刻的に把握するところから彫刻は始まるのである。私の赴くところ随所皆彫刻である。私の詩が本来彫刻的である事は已むを得ない結果である。彫刻の性質が詩を支配するのである。私が彫刻家でありながら彫刻の詩が少いのを怪んだ人が曾てあったが、これは極めて表面的な鑑識であって、直接彫刻を主題として書いた詩ばかりが彫刻に因縁を持つのではない。詩の形成に於ける心理的、生理的の要素にそれが含まれているのである。だから多くの詩人の詩の形成の為方と、私自身の詩の形成の為方とには何かしら喰いちがったものがあるように思われる。それは是非もない。

詩の世界は宏大であって、あらゆる分野を抱摂する。詩はどんな矛盾をも容れ、どんな相剋をも包む。生きている人間の胸中から真に迸り出る言葉が詩になり得ない事はない。