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じじょでん

自叙伝

大杉 栄

線上閱讀大杉 栄《自叙伝(じじょでん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 115,021 字 · 230 頁

青空文庫

その翌日は長谷の観音から三輪神社に出た。そしてこの三輪神社の裏の森の中で、とうとう来なければならないことが来た。校長の山本少佐が、全生徒に半円を画かせて、厳かに僕に対する懲罰の宣告を下した。罰は、重営倉十日のところ、特に禁足三十日に処すというのだ。

六

僕はこの懲罰がどうしてあんなに僕を打撃したのかよく分らない。僕は生れて初めて、そして恐らくは絶後であろうと思うが、本当に後悔した。三十日間の禁足をほとんど黙想に暮した。そして従来の生活を一変することに決心した。

まず煙草をよした。そして今までは暴れ廻ることに費していた休憩時間を、多くは前庭の植物園に暮した。

学校の前庭は、半分が器械体操場で他の半分が立派な植物園だった。温室も大きいのが一つと小さいのが一つとあった。そしてその間に、僕等が「天文台」と呼んでいたものが立っていた。実際そこには気温、気圧、風力、雨量などを計るかなり精巧な器械や、地震計などが備えつけられてあった。

中学校の三、四年程度までしかやらない初等学校で、こんな設備のあるのは、恐らくは今でも他にはあるまいと思う。だが、この設備は、生徒のためではなくって先生のためのものだったようだ。