輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

はなふぶき

花ふぶき

豊島 与志雄

線上閱讀豊島 与志雄《花ふぶき(はなふぶき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 9,409 字 · 20 頁

青空文庫

嘉代さんはちょっと気取りやで、向う意気が強いくせに、その大きなお臀のような善良さを底に持っている。表面は女房が亭主を尻に敷いてるようで、陰では亭主が女房を操っているのだ。

だが、どうも、赤木は今、嘉代さんを操りかねているらしい。なにかそわそわしていた。嘉代さんの方でも、赤木を尻に敷きかねているらしい。――これもなにかそわそわしていた。おれだって、御多分にもれない。宿酔の気味もあったが、釜の下の火がよく燃えなかった。

「千代ちゃん、千代ちゃーん、どこにいるの。」

嘉代さんの大きな叫び声が響き渡った。

飯さえできればあとはどうでもよいと思って、家の中の落着かない雰囲気をよいことに、おれはちょっと迎い酒をやっていた。

「千代ちゃんは知りませんか。」と嘉代さんはのしかかるように尋ねる。

おれは今朝から、いや、昨夜外に出た時から、もう千代の姿を見なかった。――聞けば、病院に、とにかく診察を受けに行くために、着替えをさしたが、それきり、彼女は消えて無くなったというのだ。

赤木は冷静に首をひねって、家中をあちこち覗き見て、それから、外を見廻ってくるとて出て行った。