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はなふぶき

花吹雪

太宰 治

線上閱讀太宰 治《花吹雪(はなふぶき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 16,945 字 · 33 頁

青空文庫

あの人は五十ちかくなって軍医総監という重職にあった頃でも、宴会などに於いて無礼者に対しては敢然と腕力をふるったものだ。(まさか、という声あり。)いや、記録にちゃんと残っています。くんづほぐれつの大格闘を演じたものだ。鴎外なおかくの如し。いわんや、古来の大人物は、すべて腕力が強かった。ただの学者、政治家と思われている人でも、いざという時には、非凡な武技を発揮した。小才だけでは、どうにもならぬ。武術の達人には落ちつきがある。この落ちつきがなければ、男子はどんな仕事もやり了せる事が出来ない。伊藤博文だって、ただの才子じゃないのですよ。いくたびも剣の下をくぐって来ている。智慧のかたまりのように言われている勝海舟だって同じ事です。武術に練達していなければ、絶対に胆がすわらない。万巻の書を読んだだけでは駄目だ。坊主だってそうです。偉い宗教家は例外なく腕力が強い。文覚上人の腕力は有名だが、日蓮だって強そうじゃないか。役者だってそうです。名人と言われるほどの役者には、必ず武術の心得があったものです。その日常生活に於て、やたらに腕力をふるうのは、よろしくないが、けれどもひそかに武技を練磨し、人に知られず剣道七段くらいの腕前になっていたら、いいだろうなあ。