輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

くしんのがくゆう

苦心の学友

佐々木 邦

線上閱讀佐々木 邦《苦心の学友(くしんのがくゆう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 162,732 字 · 332 頁

青空文庫

正三君はたべないお相伴をさせられた。忠義のためには腹のへるぐらい仕方がない。一同は客間へ通された。先生夫婦が下へもおかないようにもてなす。手術を受けにきたよりもお客にきたようだった。

「若様の方は時おりお手あてを申しあげておりましたから、かなり小さくなっています。内藤君の方は難物ですよ。奥へひろがってくるみぐらいの大きさになっています」

と藤岡さんが用談にとりかかるまでにだいぶ時間がかかった。正三君は奥様からの目くばせをあいずに、

「先生」と芝居をやり始めた。

「なんですか?」

「大きいと痛いんですか?」

「なあに、ちょっとですよ」

「先生、僕、あとからにしていただきます」

「僕が後からです」

と照彦様がおっしゃった。

「骨の折れる方から先にやります」

と先生は笑っていた。

「僕からですか?」

「そうです」

「おやおや」

と正三君は頭をかいた。

ほかにも手術の約束があったが、こういう時にめぐりあわせたものはおきのどくだ。さっきから控え室で待たされている。藤岡先生も多少気になると見えて、まもなく、

「それではあちらへまいりましょうか」

と診察室へ案内した。照彦様と正三君は防水布の手術着をまとった。