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くさめいきゅう
草迷宮
泉 鏡花
線上閱讀泉 鏡花《草迷宮(くさめいきゅう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 71,733 字 · 142 頁
可い塩梅な酔心地で、四方山の話をしながら、螽一ツ飛んじゃ来ない。そう言や一体蚊も居らんが、大方その怪物が餌食にするだろう。それにしちゃ吝な食物だ――何々、海の中でも親方となるとかえって小さい物を餌にする。鯨を見ろ、しこ鰯だ、なぞと大口を利いて元気でしたが、やがて酒はお積りになる、夜が更けたんです。
ここでお茶と云う処だけれど、茶じゃ理に落ちて魔物が憑け込む。酔醒にいいもの、と縁側から転がし出したのは西瓜です。聞くと、途中で畑盗人をして来たんだそうで――それじゃかえって、憑込もうではありませんか。」
二十六
「手並を見ろ、狐でも狸でも、この通りだ、と刃物の禁断は承知ですから、小刀を持っちゃおりません、拳固で、貴僧。
小相撲ぐらい恰幅のある、節くれだった若い衆でしたが……」
場所がまた悪かった。――
「前夜、ココココ、と云って小刀を出してくれたと同一処、敷居から掛けて柱へその西瓜を極めて置いて、大上段です。
ポカリ遣った。途端に何とも、凄まじい、石油缶が二三十打つかったような音が台所の方で聞えたんです。
唐突ですから、宵に手ぐすねを引いた連中も、はあ、と引呼吸に魂を引攫れた拍子に――飛びました。