輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
かつしかみやげ
荷風随筆集(上)
永井 荷風
線上閱讀永井 荷風《荷風随筆集(上)(かつしかみやげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 133,224 字 · 269 頁
赤塗の自転車に乗った電報配達人が綱を綟っている男女の姿を見て、道をきいていたが、分らないらしい様子で、それなり元きた彼方へと走って行った。
空はいつの間にか暮れはじめた。わたくしが電報配達人の行衛を見送るかなたに、初て荒川放水路の堤防らしい土手を望んだ時には、その辺の養魚池に臨んだ番小屋のような小家の窓には灯影がさして、池の面は黄昏れる空の光を受けて、きらきらと眩く輝き、枯蘆と霜枯れの草は、かえって明くなったように思われた。ふと枯蘆の中に枯れた松の大木が二、三本立っているのが目についた。近寄って見ると、松の枯木は広い池の中に立っていて、その木陰には半ば朽廃した神社と、灌木に蔽われた築山がある。庭は随分ひろいようで、まだ枯れずにいる松の木立が枯蘆の茂った彼方の空に聳えている。垣根はないが低い土手と溝とがあるので、道の此方からすぐ境内へは這入れない。
わたくしは小笹の茂った低い土手を廻って、漸く道を求め、古松の立っている鳥居の方へ出たが、その時冬の日は全く暮れきって、軒の傾いた禰宜の家の破障子に薄暗い火影がさし、歩く足元はもう暗くなっていた。わたくしは朽廃した社殿の軒に辛くも「元富岡八幡宮」