輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
くさもみじ
荷風随筆集(下)
永井 荷風
線上閱讀永井 荷風《荷風随筆集(下)(くさもみじ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 30,512 字 · 63 頁
の素読を教えられた。成人の後は儒者の文と詩とを誦することを娯しみとなした。されば日常の道徳も不知不識の間に儒教に依って指導せられることが少くない。
儒教は政治と道徳とを説くに止って、人間死後のことには言及んでいない。儒教はそれ故宗教の域に到達していないものかも知れない。しかしこの問題については、わたくしは確乎とした考を持っていない。今日に至るまでこれを思考することができなかったとすれば、恐くは死に至るまで、わたくしは依然として呉下の旧阿蒙たるに過ぎぬであろう。
わたくしは思想と感情とにおいても、両ながら江戸時代の学者と民衆とのつくった伝統に安んじて、この一生を終る人である。一たび伝統の外に出たいと願ったこともあったが、中途にしてその不可能であることを知った。わたくしをして過去の感化を一掃することの不可能たるを悟らしめたものは、学理ではなくして、風土気候の力と過去の芸術との二ツであった。この経験については既に小説『冷笑』と『父の恩』との中に細叙してあるから、ここに贅せない。
毎年冬も十二月になってから、青々と晴れわたる空の色と、燈火のような黄いろい夕日の影とを見ると、わたくしは西洋の詩文には見ることを得ない特種の感情をおぼえる。