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ぐびじんそう
虞美人草
線上閱讀夏目 漱石《虞美人草(ぐびじんそう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 198,559 字 · 401 頁
ふうんと云わせる。灰吹をぽんと云わせる。しまいには腕組をさせる。二十世紀の禁物は疾言と遽色である。なぜかと、ある紳士、ある淑女に尋ねて見たら、紳士も淑女も口を揃えて答えた。――疾言と遽色は、もっとも法律に触れやすいからである。――謎の女の鄭重なのはもっとも法律に触れ悪い。和尚は腕組をしてふうんと云った。
「もし彼人が断然家を出ると云い張りますと――私がそれを見て無論黙っている訳には参りませんが――しかし当人がどうしても聞いてくれないとすると……」
「聟かね。聟となると……」
「いえ、そうなっては大変でございますが――万一の場合も考えて置かないと、いざと云う時に困りますから」
「そりゃ、そう」
「それを考えると、あれが病気でもよくなって、もう少ししっかりしてくれないうちは、藤尾を片づける訳に参りません」
「左様さね」と和尚は単純な首を傾けたが
「藤尾さんは幾歳ですい」
「もう、明けて四になります」
「早いものですね。えっ。ついこの間までこれっぱかりだったが」と大きな手を肩とすれすれに出して、ひろげた掌を下から覗き込むようにする。
「いえもう、身体ばかり大きゅうございまして、から、役に立ちません」