輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
とんぼがえり
蜻蛉返り
佐藤 垢石
線上閱讀佐藤 垢石《蜻蛉返り(とんぼがえり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 3,408 字 · 7 頁
だから入口の狭い湾に出会うと、その入口からなかへ入って湾内を一周し、再び狭い入口を出て次へ次へと海岸線へ沿って歩くのだ。
その習性を捉えて、南豆長津呂の漁師は、鰡が湾内へ入ったとみると、狭い入口を網で塞いで外洋へ出られぬようにし、これを根こそぎ掬いとるのである。けれど、なかなかもって漁師の計画通りにはいかない。
鰡は、随分要心深いのだ。大群は、いきなり盲滅法界に湾内へ泳ぎ込んでくるのではないのである。
あたかも規律ある軍隊が行軍するように、まず先頭に一尾の鰡を泳がせ、次に三尾の一群が、次に七尾の一群、次に十五尾の一団というふうに、前衛を遠く泳がせて本隊はあとの方から、警戒充分の態勢を取って泳いでくる。
そこで、まず一尾の前衛が湾の入口へ泳ぎついて安全とみれば、湾内へ入る。続いて第二軍、第三軍が入り、最後に本隊が入るという順序になるのだけれど、もし少しでも物騒と見れば、沖へ逃げだして湾内へは入らない。もちろん本隊は、軽挙を慎むのだ。
漁師は、鰡の大群の進行振りを山の上から監視しているのである。うまく、鰡の大群が湾内へ入ったとなると、入口に張って置いた網の引き手を引いて口を締めてしまい、そこで盤木か鐘を鳴らして、村中の漁師に報らせることにしている。