輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
ちまんだらしちょうぶし
血曼陀羅紙帳武士
国枝 史郎
線上閱讀国枝 史郎《血曼陀羅紙帳武士(ちまんだらしちょうぶし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 88,970 字 · 176 頁
この頼母の心境は、地獄さながらであったが、帳中へ引き入れられたお浦の心境も、地獄さながらであった。
――ここは紙帳の中である。
お浦は、左門へ、むしゃぶりつこうとしていた。
「汝、左門ンーン」
それは、血を吐くようなお浦の声であった。
「汝のために、武蔵屋で、紙帳の中へ引き入れられ、気絶させられ、悩乱させられたばかりに、頼母様に差し上げようと思った天国様を川へおとし、そればかりか、五郎蔵に捕えられ、『俺を裏切り、頼母へ心中立てした憎い女! 嬲り殺しにしてくれる』と、昨日まで府中で責め折檻、今日はいよいよ息の根とめると、百姓家の納屋へ戸板でかつぎこまれ、……そこを嬉しや、頼母様に助けられ、ここまでは連れられ遁がれては来たが……汝、左門ンーン……汝とは何んの怨みもないこの身、部屋を取り違えたが粗忽といえば粗忽……そのような粗忽、いましめて、放してさえくだされたら、何んの間違いもなかったものを! ……汝の悪逆の所業から、それからそれと禍いを産み、頼母様を五郎蔵に怨ませ、アレアレあのように紙帳の外では、五郎蔵めに頼母様が! ……」
胸はあらわ、髪は崩れ、頸には、折檻された痕の青あざがある。