輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

まちはふるさと

街はふるさと

坂口 安吾

線上閱讀坂口 安吾《街はふるさと(まちはふるさと)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 193,435 字 · 389 頁

青空文庫

私たちのせいで、兄さんがドタ靴はかされてるんじゃないわ。元兇がいるのよ。凄い女ギャングが」

九

「ドタ靴の元兇がね?」

「ええ。先生、知らない? その人」

「女ギャングをね。知らないな」

「婦人記者よ」

長平の胸は騒いだ。まさか記代子ではないだろう、と思い直したが、人生ばかりは、どこで何がどうモツレているか、見当がつかないものだ。

「なんて名の人だい」

「姓名は何てッたッけな。私、いちど、見かけただけ。三十一の大年増よ。背が高くって、姿はすばらしいわ。立派な服装してるわ」

「わかった。梶せつ子という人だろう」

「そう、そう。それ」

梶せつ子なら原稿依頼に来たことがある。はじめての時は、たしかに放二がつれてきたのである。つれてくる先に、放二の口添えがあって、恩人の娘だというようなことを言っていた。せつ子は「放二さん」となれなれしく呼んで、いかにも幼い時からの知りあいという風であったが、長平は人の私事をセンサクしないタチだから、そこまでしか知らなかった。

せつ子は家庭雑誌の記者で、長平の書く雑誌と性質がちがっていたから、一度は義理で書いたが、その後はことわることにしたため、自然せつ子の訪れも絶えていた。