輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

まちはふるさと

街はふるさと

坂口 安吾

線上閱讀坂口 安吾《街はふるさと(まちはふるさと)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 193,435 字 · 389 頁

青空文庫

旅行の支度をしてくるから、三十分だけ待ってて下さい」

記代子を承諾させて、青木は大急ぎで宿へ戻った。

七

青木が宿の前までくると、せつ子の自家用車がとまっている。シマッタと思ったが、もうこうなったら、逃げ隠れはしない方がよかろうと覚悟をきめた。

玄関をはいると、せつ子が宿の人たちから色々何かきいているところであったが、青木を認めてサッと面色を改めて詰問にかかろうとするのを、そのヒマを与えず、

「ヤ。わかっています。まさしく記代子さんは、昨夜ぼくを訪ねてきました。そして、たしかに、ぼくが保護いたしております。全部お話いたしますから、ぼくの部屋へきていただきましょう。実に、三人目。いやはや、目も当てられねえや。三方損の三人目。ね。あなたは分って下さらないかも知れないねえ」

穂積もせつ子と一しょであった。せつ子は青木の部屋を見まわして、記代子の残した動物臭をかぎわけているらしい様子である。いかにも重大決意を蔵するかのような静寂な態度に、青木はウンザリして、

「ねえ、社長さん。嵐の前の静けさですか。しかしですよ。もしもあなたが、今度のことで、ぼくに向って何かの遺恨があるとしたら、そして大いにぼくを面責なさろうというお考えなら、天下の、イヤ、東京の、ハッハ、だんだん小さくなりやがら。