輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

まちはふるさと

街はふるさと

坂口 安吾

線上閱讀坂口 安吾《街はふるさと(まちはふるさと)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 193,435 字 · 389 頁

青空文庫

「呉竹しのぶ」

「ワア、面白れえ。よんでこいよ。あッちへ行こうか」

「いけません。私は面白くないんです。文士だのジャーナリストって、酔っ払うとダラシがなくッて、礼義知らずなのよ」

「オレとおんなじだなア」

「ダメですよ。こちら側へお座んなさいね。ききわけがなくッちゃ、いけないのよ。私のお酌で、お酒めしあがれ」

箱根まで迎えにきたカバン持ちが気をきかせて、ウイスキーをとりだす。

宇賀神は素直に座席をかえて、キゲンよくウイスキーをなめている。気まぐれな思いつきを言いたてるが、実際は言いたてるのが面白いだけで、やる気はない。神経は鋭利で、見かけと反対に、こまかく気のまわる男だから、無意味なツキアイは神経が疲れるばかりで、退屈しのぎにはならないのである。

宇賀神はウイスキーはちょッとでやめて、すぐ居眠りをはじめた。

午後四時に東京駅へつく。宇賀神は迎えの車でいずれへか立ち去り、せつ子も車をひろって、銀座の社へ六日ぶりに戻った。

せつ子が箱根へ行ったのと前後して、大庭長平が上京している。長平の出版は某社に独占されているが、せつ子は新しく自分がやるはずの出版社で、この出版権をそッくり握ってしまいたいのである。