輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
せいりんず
西林図
久生 十蘭
線上閱讀久生 十蘭《西林図(せいりんず)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 10,309 字 · 21 頁
二
という木の割籠からかき餅をだし、それを下物にして酒を飲みながら、文子に仏蘭西の新刊小説を読ませて聞くのを日課にしていた。
洒脱な老人だが、一面、家柄や格式にこだわる頑迷なところもあるので、文子のしたいようにさせているが、最後のぎりぎりのところで、そんな男のところへ嫁れないと、ひと言できまりをつけるのだろうことはわかっている。そのむずかしいところを、二人がどう切りぬけていくのだろうと、ひとごとながら心配でならなかった。
文女が空襲にあうひと月ほど前、冬亭の問題で、なみなみならぬもんちゃくがあったふうで、鹿島老はすっかり依怙地になり、探しにひとを出すようなこともせず、位牌も白木のままで、重ね棚のうえに放りだしてあるというような噂だった。冬亭が口をすべらしたので、なにか文女に関係のあることだと思われるが、冬亭が鹿島の庭へ入りこんでなにをしようというのか、冬木には見当がつかなかった。
二
黒鉄の裏門を押して入ると、マロニエの並木のある築山の裏にでた。築山の裾を明るい小径がうねりながらむこうにつづき、落葉がいいほどにたまっている。
なんのつもりか、冬亭はマロニエの実を拾っては袂に入れながら、