輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
しのげんり
詩の原理
萩原 朔太郎
線上閱讀萩原 朔太郎《詩の原理(しのげんり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 153,641 字 · 305 頁
音楽の魅力は酩酊であり、陶酔であり、感傷である。それは人の心を感激の高所に導き、熱風のように狂乱させる。或は涙もろくなり、情緒に溺れ、哀切耐えがたくなって、嗚咽する。ニイチェの比喩を借りれば、音楽こそげにデオニソスである。あの希臘的狂暴の、破壊好きの、熱風的の、酩酊の、陶酔の、酒好きの神のデオニソスである。
これに対して美術は、何という静観的な、落着いた、智慧深い瞳をしている芸術だろう。諸君は音楽会の演奏を聴いた後で、直ちに美術展覧会に行き、あの静かな柔らかい落着いた光線や気分の中を、あちこちと鑑賞しつつ歩いた時、いかに音楽と美術とが、芸術の根本的立場に於て、正反対にまで両極していることを知ったであろう。会場の空気そのものすらが、音楽の演奏では熱しており、聴客が狂気的に感激している。そして美術の展覧会では、静寂として物音もなく、人々は意味深げに、鑑賞の智慧聡い瞳を光らしている。かしこには「熱狂」があり、此処には「静観」があり、一方には「情熱」が燃え、一方には「智慧」が澄んでる。
実に美術の本質は、対象の本質に突入し、物如の実相を把握しようとするところの、直覚的認識主義の極致である。