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よむうちにおもったこと
読むうちに思ったこと
小川 未明
線上閱讀小川 未明《読むうちに思ったこと(よむうちにおもったこと)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 2,296 字 · 5 頁
彼等は、いま、驕慢で、贅沢で、貧乏人を蔑んではいるが、いかなるまわり合せで、おちぶれて、空腹を感ずるような時がないとはかぎらないであろう。その時、果して、いやしい考えを起さないだろうかと。
これと同じ悲哀を、まのあたりに見るからです。曾て自から高しとしたにかゝわらず、いまや、脆くも、その誇りを捨て、ジャナリズムに追従せんと苦心する文筆家が、即ちそれであるが、文章に、自然なところがなく、また明朗さがなく、風格がなく、何等個性の親しむべきものなきを、如何ともすることができないでありましょう。
独創なき書物は、畢竟平凡な教師のようなものです。
知っていることを、伝えればそれでいゝというのでない。伝えるにしても、生かして与えると、死なして与えるとの相違があります。はつらつたる感情や、勇気や、光輝というようなものは、創生の喜ぶに伴うものです。しからざるかぎり、たとえ、積極的には、間違ったことを伝えなくとも、そこに、喜びがなく、たゞあるものが、怠屈ばかりであったら、それは、何も与えなかったことになるばかりでなく、徒らに、読者をして、焦燥に悶えしめるものです。