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むほんろん(そうこう)

謀叛論(草稿)

徳冨 蘆花

線上閱讀徳冨 蘆花《謀叛論(草稿)(むほんろん(そうこう))》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 9,699 字 · 19 頁

青空文庫

維新前後志士の苦心もいささか酬いられたといわなければならぬ。しからば新日本史はここに完結を告げたか。これから守成の歴史に移るのか。局面回復の要はないか。最早志士の必要はないか。飛んでもないことである。五十歳前、徳川三百年の封建社会をただ一簸りに推流して日本を打って一丸とした世界の大潮流は、倦まず息まず澎湃として流れている。それは人類が一にならんとする傾向である。四海同胞の理想を実現せんとする人類の心である。今日の世界はある意味において五六十年前の徳川の日本である。どの国もどの国も陸海軍を拡げ、税関の隔てあり、兄弟どころか敵味方、右で握手して左でポケットの短銃を握る時代である。窮屈と思い馬鹿らしいと思ったら実に片時もたまらぬ時ではないか。しかしながら人類の大理想は一切の障壁を推倒して一にならなければ止まぬ。一にせん、一にならんともがく。国と国との間もそれである。人種と人種の間もその通りである。階級と階級の間もそれである。性と性の間もそれである。宗教と宗教――数え立つれば際限がない。部分は部分において一になり、全体は全体において一とならんとする大渦小渦鳴戸のそれも啻ならぬ波瀾の最中に我らは立っているのである。