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あかいてぶくろ
赤い手袋
小川 未明
線上閱讀小川 未明《赤い手袋(あかいてぶくろ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。
N3 · 進階 · 新字新假名 · 1,644 字 · 4 頁
それよりも、もっと、こんなに寒いのに、雪の上に落ちていることが、手袋にとってかわいそうでなりませんでした。
「どんなにか手袋は、家に帰りたいと思っているだろう。」と考えると、政雄は、どうかして探してきてやりたい気持ちがしたのであります。
けれど、そのとき、やさしい姉さまは、政雄をなぐさめて、
「わたしが、またいい代わりをこしらえてあげるから、この風の寒いのに、わざわざ探しにいかなくてもいいことよ。」とおっしゃったので、ついに政雄は、その赤い手袋のことをあきらめてしまいました。
ちょうど、その日の暮れ方でありました。空は曇って、寒い風が吹いていました。あまり人通りもない、雪道の上に、二つの赤い手袋がいっしょに落ちていました。
いままで、暖かい外套のポケットに入っていた手袋は、冷たい雪の上にさらされてびっくりしていたのです。
このとき、町の方から、七つ、八つの男の子が、手足の指を真っ赤にして、汚らしい着物をきて、小さなわらじをはいて、とぼとぼやってきました。
この子は、遠い村に住んでいる乞食の子であったのです。昼は町に出て、お銭や、食べ物をもらって歩いて、もはや、日が暮れますので、自分の家へ帰ってゆくのでした。