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せきがいせんおとこ

赤外線男

海野 十三

線上閱讀海野 十三《赤外線男(せきがいせんおとこ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 38,889 字 · 78 頁

青空文庫

それで強いてというお話ですし、一方例の用意もありまして大丈夫だと思ったのです」

例の用意というのは、深山理学士と白丘ダリア嬢には秘密で、この室内の一隅に小さい赤外線発生灯を点じ、隠し穴を通じて隣室からこの室内を活動写真に撮る。つまり肉眼で見えぬ光線を室内に送って置いて、室内の人々の動静を赤外線映画に収めてしまう。斯うすれば、その中で怪し気な行動をする者がフィルムの上に映った筈だから、後で現像すればそれと判る――こんな仕掛けを予め作って置いたのである。しかし総監閣下が犠牲になられたのでは、何にもならない。本庁の連中の愚鈍さに、帆村は呆れる外なかった。

「で、閣下がお入りになってから、フィルムを廻したのですネ」

「そうです。うまく撮ったつもりです。――だが閣下は殺害されました。兇器は鍼で、同じように延髄を刺しつらぬいています」

「現像は……」

「今やっています。直ぐこれからおいで願いたいのです」

「ええ、参ります」

帆村は憂鬱な返辞をした。

駆けつけてみると、本庁は上を下への大騒ぎだった。殺られる人に事欠いて、総監閣下が苟めの機会から非業の死を遂げたというのだから、これは大変なことである。