輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
ろじょう
路上
線上閱讀芥川 竜之介《路上(ろじょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 43,539 字 · 87 頁
「これも花房さんが売ったんですね。」
俊助は自然微笑が唇に上って来るのを意識した。
「梵字の本ですね。」
「ええ、マハアバラタか何からしいですよ。」
二十四
「安田さん、御客様でございますよ。」
こう云う女中の声が聞えた時、もう制服に着換えていた俊助は、よしとか何とか曖昧な返事をして置いて、それからわざと元気よく、梯子段を踏み鳴しながら、階下へ行った。行って見ると、玄関の格子の中には、真中から髪を割って、柄の長い紫のパラソルを持った初子が、いつもよりは一層溌剌と外光に背いて佇んでいた。俊助は閾の上に立ったまま、眩しいような感じに脅かされて、
「あなた御一人?」と尋ねて見た。
「いいえ、辰子さんも。」
初子は身を斜にして、透すように格子の外を見た。格子の外には、一間に足らない御影の敷石があって、そのまた敷石のすぐ外には、好い加減古びたくぐり門があった。初子の視線を追った俊助は、そのくぐり門の戸を開け放した向うに、見覚えのある紺と藍との竪縞の着物が、日の光を袂に揺りながら、立っているのを発見した。
「ちょいと上って、御茶でも飲んで行きませんか。」
「難有うございますけれど――」