輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

おどるちへいせん

踊る地平線(上)

谷 譲次

線上閱讀谷 譲次《踊る地平線(上)(おどるちへいせん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 168,926 字 · 332 頁

青空文庫

ホテルでは、日本人の夫婦が舞いこんで来たというんで大さわぎだ。それには及ばないというのに、番頭が大得意で町の案内に立つ。

『これが郵便局です。どうです、素晴らしい建物でしょう? それからこれが停車場、あれがグロウハラアの要塞――。』

一々感心したような顔をせざるを得ない。人には社交性というものがあるし、それにこの単純なフィンランド人を失望させたくないから――そこで、ありきたりの建物にも最大の讃辞を呈し、寒々しい大統領官邸にも最上級の驚嘆を示し――番頭は上機嫌で商売なんかそっちのけだ。

エイラの島の絶景に大いに感心し、つぎに船着場の花と箒の市場にまた大いに感心し、それから「異国者の島」の博物園では十六世紀のお寺と、お寺の日時計・砂時計・礼拝中に居眠りするやつを小突くための棒・男たちの wicked eye から完全に保護されている女だけの席・地獄の絵・審判の日の作り物・うその告白をした女を罰する足枷――それらにまんべんなく感心してしまうと、もうありませんな、と番頭のほうが困っている。可哀そうで、まあ君、これだけ見せてもらえばたくさんです。そう悲観したもうな、と慰めたくなる。