輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
おどるちへいせん
踊る地平線(下)
谷 譲次
線上閱讀谷 譲次《踊る地平線(下)(おどるちへいせん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 141,823 字 · 283 頁
それは安価香水のにおいと田園の露を散らして私の洋襟を濡らした。曲馬団の少女のようなモナコの風土服を着た花売女がわざと平調な英語でその一束をすすめていた。これは私にすこし考えるところがあって買うことにした。私は女の残して行った菫の花を嗅いでみた。それにはアルコウルの疑いがあった。そして不自然にまで水をかぶって重かった。私は巴里モンマルトルのキャバレLA・FANTASIOを思い出した。そこでは売った花束を、酔った所有者が席を離れて踊ってるあいだに、その花売娘が廻って来てこっそり持って行ってしまうのである。そしてそれに水をかけ、香水を振ってまた売りに来るのだ。こうして同じ花が一晩に何べんとなく新装して売りに出される。そして人は自分の買った花束を朝までに何度買わされるか知れないのだ。
ここのもそれではないかと私は思った。で、私は花売女に盗まれないように卓子の上で菫の束を握っていることにした。が、それでも不安だったので、私は妻の口紅棒を借りて花を結んである紫のりぼんの端へXをつけた。そしてようよう安心することが出来た。
みんながヴィクトル・アリ氏の口を見詰めていた。