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とうめいねこ
透明猫
海野 十三
線上閱讀海野 十三《透明猫(とうめいねこ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。
N3 · 進階 · 新字新假名 · 10,223 字 · 21 頁
そういわれても、青二は本気にしなかった。
「お母さんは、あんなことをいっているよ。お母さんの目の方が、今日はどうかしているんでしょう。目がかすんでいるんじゃない」
「あら、そうかしら。もっとも、もう春になりかけているんだから、のぼせるかもしれないからね」
その話は、そのままになった。青二の母親は、朝の用事をまだたくさんもっていたから。青二は二階へあがった。
机の上に、小さい座ぶとんがのせてある。その座ぶとんの上を見るとまん中がひっこんでいた。そして、ゴムのテープと、赤青のまだらの紐が結ばれたままあった。その座ぶとんの上に、例のあやしい動物がねていることはたしかだった。
だが、ふしぎなことに、二つの目玉は、どこにも見えなかった。
「あの目玉はどこへ行ったんだろう」
青二は、そばへいって、手さぐりで動物をなでてみた。猫の頭にちがいないものが、たしかに手にさわった。
しかし目玉は見えなかった。もしや目玉がなくなったのかと思って、青二は片手で動物の頭をおさえ、もう一方の手で目玉をさぐってみた。すると、
「ふうっ」と、動物はあらあらしい声をたてて、座ぶとんからはねあがった。