輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
どうじょうじ(ひとまくげき)
道成寺(一幕劇)
郡 虎彦
線上閱讀郡 虎彦《道成寺(一幕劇)(どうじょうじ(ひとまくげき))》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 15,256 字 · 30 頁
若僧 もう呻くような声がきこえて参ります。
妙信 (必ずしも対者にもの言うがごとくならずして)だがとやかくいうものの今夜という今夜こそ、あのように乱れた心の中は蛇の巣でもあばいたように、数知れぬむごたらしい恐れがうごめいて、どんな思いをさせていようも知れぬことだ。
若僧 (妙信に向い)ほんとに悪蛇の怨霊というのは、今夜の内に上って来るのでございましょうか。
妙信 (若僧のもの問えるを知らざるがごとく、すでに鐘楼の鐘を仰ぎ視て憎しげに)みんなこの鐘が出来たばかりよ。なまじ外道の呻くような音をひびかしたばかりに、山中がこんな恐ろしい思いをせねばならぬわ――
若僧 (迹りてひそやかに強く)今夜のうちにその悪霊は、きっと上って来るのでございましょうか。
妙信 (始めて顧り視て)ほんとにのぼって来ようぞ。俺にはもうじとじとした呪いの霧が山中にまつわって、木々の影まで怪しくゆらめいて来たような気がするわ。それにしても和主は不憫なが、何にも知らずこんな山へ迷い込んで来たばかりに、遁れることも出来ない呪いの網にかかってしまったのだ。――ええ、そんな恐ろしい眼の色をせぬものよ――最前からまだ話もしなかったが、この鐘には、仔細あって悪蛇の執念が久遠にかかっているのだ。