輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

どうひょう

道標

宮本 百合子

線上閱讀宮本 百合子《道標(どうひょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 846,457 字 · 1672 頁

青空文庫

デュトの通りへ出ると、街上の気分はずっと陽気で小さい雑貨店だの食料品店がならんでいる。町角で、二三人のおかみさんが立ち話をしたりしている。

伸子たちは、いつもその入口は明けっぱなしでドアがあるのかないのかわからないようで戸口番もいないデュト通五八番地の木の階段を、ことことと音をたてて登って行った。入口に電燈はなく、厚く古い壁に沿った階段はもう足もとが暗かった。二階のつき当りのドアが磯崎恭介夫妻の室の入口だった。ノックすると、奥の部屋から靴音がして、

「どなたですか?」

須美子の声がした。しっとりと、端正な発音だった。

「わたしですよ」

すぐドアが開かれた。

「まあ、もうおよろしいんですの?」

それは素子の歯痛のことだった。

「よく、おいで下さいましたこと」

「ちょっと――かまいませんか。おさわがせしたからお礼かたがた散歩に出て来たんです」

「どうぞ。――丁度かづ子も眠ったところでようございましたわ」

須美子は、装飾らしいもののまるでないその室の椅子にかけた素子の頬を見ながら、

「もうはれていらっしゃいませんのね」

と、ほほえんだ。

「こちらでは、日曜に何かおこると、ほんとに困りますわねえ」