輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

きんぞくにんげん

金属人間

海野 十三

線上閱讀海野 十三《金属人間(きんぞくにんげん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 78,616 字 · 157 頁

青空文庫

検事は、しきりに小首をかしげている。

「検事さん。この部屋は密室と見せかけて、じつはどこかに秘密の出入口があるのではないでしょうか」

と、木村巡査部長はいった。

「そこから犯人は、いち早く逃げだしたという考えだね。そうなれば、早くその秘密の出入口を見つけてもらいたいものだ」

「いま一生けんめいに心あたりをさがしているんですが、まだ見つかりません。この家の主人が出てきたら、といただしていただくんですね。主人ならかならず知っているはずですから」

「なるほど」

「検事さん。ここの主人は、どうもくさいですよ。わたしは第六感でそう感じているんですが……」

といっているとき、とつぜん室内で大きな声がした。

「あっ、やられたッ。誰か手をかしてくれ。足を斬られた」

その叫び声は、ふとった川内警部の声だった。警部は部屋の一隅にしりもちをつき、右足をおさえている。かれの顔には血の色がなかった。どうしたのだろう。誰に斬られたというのであろうか。

二重負傷事件

川内警部の両手は、鮮血でまっ赤だった。

後からわかったことであるが、警部の傷はかれの右足のすこし上にある動脈が、するどい刃物で、すぱりと斬られているのだった。