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ぶくぶくながながひのめこぞう
鈴木三重吉童話集
鈴木 三重吉
線上閱讀鈴木 三重吉《鈴木三重吉童話集(ぶくぶくながながひのめこぞう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。
N3 · 進階 · 新字新假名 · 58,287 字 · 119 頁
同じ市内でも地盤のつよいところとよわいところでは震動のはげしさもちがいますが、本所のような一ばんひどかった部分では、あっと言って立ち上ると、ぐらぐらゆれる窓をとおして、目のまえの鉄筋コンクリートだての大工場の屋根瓦がうねうねと大蛇が歩くように波をうつと見るまに、その瓦の大部分が、どしんとずりおちる、あわてて外へとび出すはずみに、今の大工場がどどんとすさまじい音をたてて、まるつぶれにたおれて、ぐるり一ぱいにもうもうと土烟が立ち上る、附近の空地へにげようとしてかけ出したものの、地面がぐらぐらうごくので足がはこばれない、そこへ、あたり一面からびゅうびゅう木材や瓦がとびちって来るので、どうすることも出来ずに立ちすくんでいると、れいのたおれた工場からは、もう、えんえんと火が上って来たと話した人があります。
或人は、電車で神田神保町のとおりを走っているところへ、がたがたと来て、電車はどかんととまる、びっくりしてとび下りると同時に、片がわの雑貨店の洋館がずしんと目のまえにたおれる、そちこちで、はりさけるような女のさけび声がする、それから先はまるでむちゅうで須田町の近くまで走って来たと思うと、いく手にはすでにもうもうと火事の黒烟が上っていたと言っています。