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てっとうのかいじん
鉄塔の怪人/海底の魔術師
江戸川 乱歩
線上閱讀江戸川 乱歩《鉄塔の怪人/海底の魔術師(てっとうのかいじん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。
N3 · 進階 · 新字新假名 · 160,770 字 · 322 頁
おまえには、まだとてもできないが、あすから、ほかの兵隊たちといっしょに訓練をしてやる。わしがむちをふるって、ピシリ、ピシリと、背中を、たたきつけながら、訓練してやる。
では、もう部屋へひきとって、寝るがいい。十二号室だ。わかっているだろうな。さあ行きなさい。」
そういわれると、かわいそうな子どもカブトムシは、モゾモゾ動きはじめました。そして、ドアの方にむかって、はってくるのです。ドアのすきまから、むちゅうになってのぞいていた小林君は、はっとしてとびのき、廊下のやみの中に身をかくしました。
ドアがひらいたかとおもうと、すぐにピッタリとしまりました。
暗やみといっても、どこか遠くの方のあかりが、そのへんをうす明るくしているので、やっと物のかたちを見わけることができます。
しばらくすると、壁に身をつけて、かくれている小林君の前を、黒いカブトムシが、ゴソゴソと、はっていくのが、見えました。さっきの子どもカブトムシです。やみの中に、ほんのりと、背中のどくろのもようが、ういて見えます。まっ暗な中を、同じように黒い巨大な妖虫が、モゾモゾとはっていきます。ハッキリ見えないだけに、それはなんともいえない気味わるさでした。