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てっとうのかいじん

鉄塔の怪人/海底の魔術師

江戸川 乱歩

線上閱讀江戸川 乱歩《鉄塔の怪人/海底の魔術師(てっとうのかいじん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 160,770 字 · 322 頁

青空文庫

ワシのえじき

そのときには、賢二君も、小林少年と同じように、しばられていました。そして、ふたりのあらくれ男が、二少年の縄じりをとって、大広間の外へ、ひっぱっていくのです。二十面相も、ニタニタ笑いながら、そのあとから、ついていきます。

ああ、二少年は、これから、どんなおそろしいめにあうのでしょう。二十面相がいったとおり、小林君は、すこし知恵がたりなかったのではないでしょうか。いくら敵の正体をあばいても、ふたたび生きて帰れないようになっては、せっかくの苦心も水のあわではありませんか。

ワシのえじき

石の壁の長い廊下をいくつもまがって、行きついたのは、まるい鉄の部屋でした。鉄塔の一階らしいのです。壁には黒い鉄板が、はりつめてあり、一方のすみに、きゅうな鉄のはしごが、ついています。

「さあ、これを、のぼるんだ。」

二十面相のさしずで、ふたりのあらくれ男は、二少年をおいたてて、そのはしごをのぼりました。二階、三階、四階、みんなまるい鉄の部屋です。そして、五つめのはしごをのぼると、パッとあたりがあかるくなって、鉄塔の屋上に出ました。

まるい床には、いちめんに鉄板がはりつめてあり、それをとりまいて、ひくい鉄のてすりのようなものが、ついています。