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てっとうのかいじん
鉄塔の怪人/海底の魔術師
江戸川 乱歩
線上閱讀江戸川 乱歩《鉄塔の怪人/海底の魔術師(てっとうのかいじん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。
N3 · 進階 · 新字新假名 · 160,770 字 · 322 頁
そうして立ったまま、しんぼうづよく、身うごきもしないで、こちらのようすをうかがっているのです。
そのふしぎなにらみあいが、じつに長いあいだつづきました。太一郎さんは、安楽いすにかけたまま、村瀬は、カーテンのかげに身をかくしたまま、ふたりとも、まるで人形のように動かないで、五分間もじっとしていたのです。
しかし、太一郎さんは、もうがまんができなくなりました。そっと手をのばして、テーブルの上のベルを、つよくおしておいて、いきなりドアの方へ、かけだしました。いまにも、カーテンのピストルが、火をはくのではないかと、ビクビクしましたが、そんなようすも見えません。
ドアをひらくと、むこうからかけてくる書生に、出会いました。
「あいつは、ピストルをもって、カーテンのかげにかくれている。フランス窓のカーテンだ。だれか庭へまわれ。そして、はさみうちにするんだっ。」
書生に命じておいて、太一郎さんは、そっとドアの前にもどり、そのすきまから、カーテンの方を見ました。あいては、やっぱり、もとのままの姿でした。カーテンのすきまからはピストルが、カーテンの下からは二つのくつが見えています。