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てっとうのかいじん

鉄塔の怪人/海底の魔術師

江戸川 乱歩

線上閱讀江戸川 乱歩《鉄塔の怪人/海底の魔術師(てっとうのかいじん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 160,770 字 · 322 頁

青空文庫

水中探測機というのは、船から超短波を発して、それが海底にぶつかって、もどってくる時間がグラフになって、紙のうえにあらわれるようになっている機械です。そのグラフの曲線で、海の深さがわかるのですが、もし沈没船があれば、そこだけ、きゅうにふくらんだ線になってあらわれるので、それとさっしがつくわけです。

ハヤブサ丸は、海図にしるしてある海面を、行ったり来たりして、くりかえし水中探測機のグラフをしらべました。そして、その曲線のふくらみが、海底の岩やなんかでなくて、沈没船にちがいないことをたしかめたのです。

海面から沈没船の上部までは、わずかに三十メートルほどでした。これなら、金塊だけでなく、大洋丸そのものも、引きあげることができるかもしれません。大洋丸の船長が、正しい沈没の位置をかくしていたばっかりに、貴重な金塊や鉄材が、二十年も海底にねむっていたのです。

沈没船の位置がわかると、いよいよ、潜水夫をもぐらせてみることになりました。金塊が、大洋丸のどこにつんであったかは、船長の遺言書にも書いてありませんので、それをさがすだけでも、たいへんです。ですから、すぐに金塊を引きあげるわけではなく、まずその沈没船が、はたして大洋丸かどうかを、しらべるための潜水です。