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てっとうのかいじん

鉄塔の怪人/海底の魔術師

江戸川 乱歩

線上閱讀江戸川 乱歩《鉄塔の怪人/海底の魔術師(てっとうのかいじん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 160,770 字 · 322 頁

青空文庫

しのびよる怪物

それをふせぐために、うまい手品をつかったのです。

しのびよる怪物

高橋太一郎さんは、その晩のうちに、事のしだいを警察にとどけましたが、あまりにとっぴな事件なので、警察でも、きちがいのしわざと考えたらしく、いちおう、高橋さんのやしきのまわりを、警戒することにはしましたが、事件をふかくしらべようともしないのでした。

高橋さんも、鉄塔王国などというバカバカしい話は、信用できませんので、よく日村瀬から電話がかかってきても、るすだといって、とりあわないことにきめました。やくそくどおり、村瀬からは、二度も三度も電話がありましたが、そのたびに書生が出て主人は外出していて、ゆくさきがわからないとことわったのです。

ところが、事件があってから、三日目の夜になると、村瀬という男のいったことが、けっして、でたらめでなかったことが、わかってきました。つぎつぎと、おそろしいことが、おこったのです。

高橋さんの次男の、小学校四年生の賢二少年は、その晩、じぶんの勉強部屋で、机にむかって、本を読んでいました。まだ七時ごろですが、さびしいやしき町ですから、あたりはシーンとして、しずまりかえっています。