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てっとうのかいじん
鉄塔の怪人/海底の魔術師
江戸川 乱歩
線上閱讀江戸川 乱歩《鉄塔の怪人/海底の魔術師(てっとうのかいじん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。
N3 · 進階 · 新字新假名 · 160,770 字 · 322 頁
いや、一ぴきではありません。つぎからつぎと、おなじ怪物が、まるでアマゾン川のワニの行列のように、ぞろぞろと出てくるのです。賢吉君は、あまりのことに気がとおくなって、それをかぞえることもできませんでした。ほんとうは、八ぴきの鉄の人魚が、賢吉君の前をとおって、ほら穴の外へ出ていったのです。
まるで、おそろしいゆめを見ているようでした。鉄の人魚は一ぴきだとおもっていたのに、こんなにたくさん、ほら穴の中に、かくれていたのです。そして、ぞろぞろと、どこかへ出ていったのです。
いったい、なにごとがおこるのでしょう。
あの怪物どもは、もしや、ハヤブサ丸の金塊ひきあげ作業を、じゃましに、出かけたのではないでしょうか。あんなたくさんの怪物が、海の中で、あばれまわったら、いったい、どんなことになるのでしょう。
賢吉君はもう、ものを考える力もなくなって、ぼんやりしていますと、水夫がかたをつついて、
「さあ、おくへいくんだ。首領が、お待ちかねだ。」
と、みょうなことをいいました。「首領」とは、いったい、何者でしょう。
賢吉君は、そのまま、水夫につれられて、ゴツゴツした岩の上を、ほら穴のおくへ、あるいていきました。