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てっとうのかいじん
鉄塔の怪人/海底の魔術師
江戸川 乱歩
線上閱讀江戸川 乱歩《鉄塔の怪人/海底の魔術師(てっとうのかいじん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。
N3 · 進階 · 新字新假名 · 160,770 字 · 322 頁
そこには、ちょうどトンネルの出口のように、まるい穴がひらいていて、まぶしいほどの明かるさです。
巨大なカニの、みにくい姿が、その出口に、まっ黒なかげになって、立ちふさがったかとおもうと、穴の外へ、サッと、消えてしまいました。
明智は、おどろいて、その穴にかけより、外をのぞいたのですが、ひと目みると、クラクラッと目まいがして、おもわず、首をひっこめました。
その出口は、たかいたかい断崖の上にひらいていたのです。きりたったような岩が、はるか下の方までつづいて、そこに、あわだつ海がありました。海面から何十メートルという高さです。
そっと、首を出して見ますと、おばけガニは、そのまっすぐの岩はだに、八本の足でつかまって、下へ下へと、おりていきます。ほんとうのカニではありませんから、そんなにうまく、岩がつかめるものではありません。いまにも、すべりおちそうで、見ているだけでも、おしりのへんが、くすぐったくなるようです。
「あっ!」
明智は、おもわず、声をたてました。おばけガニが、ズルズルと、すべったのです。一度すべりだせば、とても、とまるものではありません。八本の足が、岩はだから、はなれてしまって、大ガニは、サーッと、下へ落ちていきました。