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ぎんがてつどうのよる

銀河鉄道の夜

宮沢 賢治

線上閱讀宮沢 賢治《銀河鉄道の夜(ぎんがてつどうのよる)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 76,529 字 · 155 頁

青空文庫

七 北十字とプリオシン海岸

「あの声、ぼくなんべんもどこかできいた」

「ぼくだって、林の中や川で、何べんも聞いた」

ごとごとごとごと、その小さなきれいな汽車は、そらのすすきの風にひるがえる中を、天の川の水や、三角点の青じろい微光の中を、どこまでもどこまでもと、走って行くのでした。

「ああ、りんどうの花が咲いている。もうすっかり秋だねえ」カムパネルラが、窓の外を指さして言いました。

線路のへりになったみじかい芝草の中に、月長石ででも刻まれたような、すばらしい紫のりんどうの花が咲いていました。

「ぼく飛びおりて、あいつをとって、また飛び乗ってみせようか」ジョバンニは胸をおどらせて言いました。

「もうだめだ。あんなにうしろへ行ってしまったから」

カムパネルラが、そう言ってしまうかしまわないうち、次のりんどうの花が、いっぱいに光って過ぎて行きました。

と思ったら、もう次から次から、たくさんのきいろな底をもったりんどうの花のコップが、湧くように、雨のように、眼の前を通り、三角標の列は、けむるように燃えるように、いよいよ光って立ったのです。

七 北十字とプリオシン海岸

「おっかさんは、ぼくをゆるしてくださるだろうか」