輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
かぎ
鍵
谷崎 潤一郎
線上閱讀谷崎 潤一郎《鍵(かぎ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 102,182 字 · 200 頁
自然、なかなか御飯にならないでブランデーが進行した。「お嬢さんがブランデーのお酌をなさるなんて珍しいことですな」と云いながら、木村さんも平生よりは過した。「もう映画には遅いわね」と、頃あいを見て敏子が云った。私にしても映画を見るには酔いが廻り過ぎていた。が、そう云っても、そんなに量を過したようには感じていなかった。これはいつでもそうなのだけれども、私は酔いを殺して飲むせいで、或る程度まではシッカリしていて、一定の量を超過すると俄然怪しくなるのである。最初私は、今夜は敏子に酔わされるかも知れないなと、内々警戒していないではなかった。しかし、警戒する半面に、多少期待する―――あるいは希望する―――気持もなかったとは云えない。私は木村さんと敏子との間に、あらかじめ手筈が定めてあったのかどうかは知らない。聞いたところでそんなことを云うはずもないから、聞きもしない。ただ木村さんも、「先生の留守にこんなに飲んでいいですかなあ」とは云っていたが、近頃大分手が上っているので、私と差したり差されたりした。木村さんもそうだと思うが、私には、夫の留守に木村さんと献酬することは、夫の意志に背くことにはならない、という気があった。