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ざっきょかぞく
雑居家族
壺井 栄
線上閱讀壺井 栄《雑居家族(ざっきょかぞく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 140,106 字 · 283 頁
ああ、どろぼうがはいっていたらどうしようか。――夏樹の足はもつれたが、玄関に立つと、中から冬太郎と音枝の声がきこえてきて、ほっとした。と同時に彼ははっとして、持っているピストルをシャツのふところにかくし、裏のヒミツカへ走った。
ヒミツカのくさむらは季節のすすきが穂を出し、終日熱気にさらされた葉はとげとげしくひろがっていた。根元をかき分けて大事の品をひそませ、いそいで手をひいたはずみに夏樹は小指をしごかれて、あっと思ったとたんに、血がにじんでいた。痛い。いつもなら泣き出すところだが、うんとがまんして、傷をなめなめ悲壮な顔つきでうちへはいってゆくと、むつかしい顔をした音枝が、だまってにらみつけた。そばに冬太郎も立っている。おそろしくまじめな顔つきだった。ふたりのそのにらむような顔つきにおされて、夏樹は泣き出した。口もとから手をはなしたとたん、たらたらと血が流れ落ちた。
「あら、どうしたの。」
それで泣いたのだと思ったらしく、音枝はその手を引っぱっていって水道で洗ってやった。冬太郎がオキシフルをもってきた。
「何で切ったの? 悪いことしたんでしょ。」
「うえーん。