輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

ざっきょかぞく

雑居家族

壺井 栄

線上閱讀壺井 栄《雑居家族(ざっきょかぞく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 140,106 字 · 283 頁

青空文庫

「ああ、ああ、やっと思うつぼだわ。冬太郎とふたりで知恵をしぼったのよ。冬坊、とうとう待ちきれないで眠っちゃったけど。」

お茶のしたくを安江に回しておいて、音枝はおもむろにきょうの獲物らしい紙包をもち出してきてちゃぶ台の上においた。

「ね、だれが持ってきてくれたと思う。」

まだじらそうとする音枝に、安江は少しかんを立て、

「だれだっていいよ、もう。さっさと配給しなさい。」

「はい。」

包みをひざの上にのせて、音枝はしかつめらしく、

「まず、これよ。あとはあとのおたのしみ。」

出てきたのはもうすでに口を切った干パンの袋だった。

「なんだ、もっと高級品かと思ったら。」

さっそくつまんで口に入れる文吉へ、

「だってこれ、ただよ。買ったんじゃないのよ。そう思うとうれしいでしょう。それに、まだあとがあるんですからね。」

「さっさと出しなさい。」

ふきげんにいいながら、安江もそのかたい干パンを口に入れ、かりかり音を立てた。ゆっくりかみしめると奥の方からうまさがわいてくる干パンであったが、こんなものにうきうきしている音枝に妙ないらだたしさを感じて、だれにもらったかなど、金輪際きくまいと思ったりした。