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あめしょうしょう
雨瀟瀟・雪解 他七篇
永井 荷風
線上閱讀永井 荷風《雨瀟瀟・雪解 他七篇(あめしょうしょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 145,414 字 · 289 頁
お照はそれにしても不人情なこの親爺にどういうわけで酒を飲ませてくれたのであろう。不思議なこともあればあるものだ。それが不思議なら、あれほど恩になった沢次が自分を路頭に迷わすような事をしたのもやはり不思議だといわなければならない。
帽子もかぶらずに出て来たので娘が飲ませてくれた酒も忽醒めかかって来た。赤電車が表通を走り過ぎた。兼太郎は路地へ戻って格子戸を明けると内ではもう亭主がいびきの声に女房が明ける箪笥の音。表の戸をしめて兼太郎は二階へ上り冷切った鉄瓶の水を飲みながら夜具を引卸した。
路地の外で自動車が発動機の響を立て始めたのは、大方向側の待合からお客が帰る処なのであろう。
大正十一年一月―二月稿