輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
ゆきくるまえのこうげんのはなし
雪くる前の高原の話
小川 未明
線上閱讀小川 未明《雪くる前の高原の話(ゆきくるまえのこうげんのはなし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。
N3 · 進階 · 新字新假名 · 5,024 字 · 10 頁
なにもこれに対して、いうことができなかったのでした。そして、すぎの木のいうように、今夜にも、すさまじい嵐が吹きはしないかと身震いしながら、空を仰いでいました。
赤い葉の面に止まっていた小ばちは、飛び上がって、つい近くを走っていった石炭の上に止まりました。この黒い、ぴかぴか光るものはなんだろうと思ったからです。
石炭は、にこにことして、だまって、この小さな生き物の動くようすを見守っていました。はちは石炭の臭いをかいだり、また小さな口でなめてみたり、どこからきたかを自分の小さな感覚で知ろうとしました。しかし、それはわかるはずがなかったのです。
レールは、また、このはちをよく見知っていました。なぜなら、この小さい、敏捷な、すきとおるように美しい翅を持ったはちが、つねに、この近傍の花から、花を飛びまわっていたからです。
夏のはじめのころに、はちは他のはちたちと共同をして、一つの巣を花の間に造っていました。そして、みつを求めに彼らは毎日遠くまで出かけたのでありました。朝日の細い、鋭い、光の箭が、花と花の影の間から射し込む時分になると、彼らは、レールの上を、それについて南へ、北へと飛んでいったのを、レールは見たのでありました。