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ゆきのうえのぶとう
雪の上の舞踏
小川 未明
線上閱讀小川 未明《雪の上の舞踏(ゆきのうえのぶとう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。
N3 · 進階 · 新字新假名 · 2,619 字 · 6 頁
おばあさんは、木の下にすわったままで、
「それなら、私が、雪女をよんできてあげましょう。また今夜あたり、人魚が、岩の上にいないものでもない。いたら、人魚も、つれてきてあげましょう。」と、いったのでありました。
この北方の島の真夜中に、白い雪の平野で、すばらしい舞踏会がひらかれたのです。ふくろうが唄をうたい、風のおばあさんがこわれた手風琴をならし、きつねを先頭に、雪女、人魚というじゅんに、思い、思いに、手をふり、からだをまげて、おどったのであります。雪女の白い歯、水晶のような瞳からはなつ光と、人魚のかんむりや、首にかけた海中のめずらしい貝や、さんご樹のかざりからながれるかがやきは、人間の指輪についている宝石の光の類ではなかったのでした。
「ああ、のどがかわいた。」と、ふくろうがいいました。
「ああ、腹がすいた。」と、きつねがいいました。
しかし、そこには、酒も、果物も、その他の食べものもなかったのです。このつぎの時分には、人魚が海から食べるものをたくさん用意してくるといいました。そして、風のおばあさんは酒を、きつねは、森や、林から、なんとかして木の実を集めてもってくるといいました。