輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

ゆきのうえのしも

雪の上の霜

山本 周五郎

線上閱讀山本 周五郎《雪の上の霜(ゆきのうえのしも)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 25,586 字 · 50 頁

青空文庫

ただの小さな石ころが五つだけで、これには伊兵衛はびっくりした。

――いったいこれはどういうわけだ。

殆んど呆れてふり向くと、客は茶店の中に腰をかけて、煙草を吸いつけているところだった。伊兵衛は慌ててそっちへゆき、手の上の物を見せながら、あいそ笑いをした。

「――どうしたんですね」

客は手の上の物を見、それから不審そうに伊兵衛を見た。

伊兵衛は当惑した。まわりの縁台には旅人が六七人と、向うには駕籠舁きらしいのが四人ばかりいたし、なおまた、うしろから来た例の二人の馬子も(馬を繋いで)こっちへ入って来た。あんまり人が多いので当惑したけれど、黙ってひっこむわけにもいかない。彼はもういちどあいそ笑いをして、云った。

「これはいま頂いたものなんですが、あけてみたらこんな物が出て来たもんですから」

「ほほう」客は悠然と煙を吐いた、「――なんですか、石ころみたように見えますな」

「ええ、私もそう思うんです」

「それじゃあきっと石ころなんでしょう」

「ええそうなんです、石ころなんです」

「それで」客は煙管をはたいた、「その石ころをどうしようというんです、なにか手品でもして見せようというわけですか」