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ゆきのよる
雪の夜
小林 多喜二
線上閱讀小林 多喜二《雪の夜(ゆきのよる)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 14,967 字 · 31 頁
にいる、好きこのんで不幸になる必要がどこにある! 龍介は多くの人たちが、まじめなおとなしい、相当教養ある世の中の役に立つ立派な人たちと言っているこれらの人々が、案外にも人類歴史の必然的な発展を阻止するこの上もない冒涜者であると思った。
龍介はそういう者たちの中にある自分の生活に良心的に苦しんだ。彼は自分ばかりでなく父のない自分の一家の生活を支えるために、この虚偽の生活に縛られていたのだ。ここからくる動揺が恵子との事にも結びつき、結局、龍介にも何も仕事ができないのだった。
龍介からはこの生活の意識は離れない。しかし「事実の上で」、ここから一歩も抜きでない以上、それはただの考えとして檻の中の獅子のように、頭の中をグルグル廻るにすぎない。龍介はいつものように憂鬱になる自分を感じた。そういう気持になる理由がハッキリわかっているだけ、そして「考え」だけの上では結局どうにもぬけでれないということが分っているだけ、たまらなかった。まるで彼には二進も三進もゆかない地獄だった。そしてこういうことにさんざん苦しくなるといつでも彼は自分でも変に思うほど、かえってでたらめな気持になった。