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れいこんだいじゅうごうのひみつ

霊魂第十号の秘密

海野 十三

線上閱讀海野 十三《霊魂第十号の秘密(れいこんだいじゅうごうのひみつ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 43,100 字 · 86 頁

青空文庫

一段高い壇の上に、新月を頭上に架けたように仰いで、ただひとり祈る白衣の人物こそ、アクチニオ四十五世にちがいなかった。

博士は、すぐにも聖者の足許に駆けよって、彼の願い事を訴えるつもりであったが、それは出来なかった。足がすくみ、目がくらみ、動悸が高鳴って、博士はもう一歩も前進をすることが出来なかったのである。

博士は石床の上にかけて、化石になったように動かなかった。それから幾時間も動くこともできず、博士はそのままの形でいた。博士は気を失っていたのでも、睡っていたのでもない。博士はその間その姿勢ではとても見ることのできないはずの、聖なる新月の神々しい姿を心眼の中にとらえて、しっかりと拝んでいたのだ。

風が土砂をふきとばし、博士の襟元にざらざらとはいって来た。どこかで鉦の音がするようだ。

「顔をあげたがよい」

さわやかな声が、博士の前にひびいた。

はっと、博士は顔をあげた。

「あ、あなたはアクチニオ四十五世!」

ロザレの遺骸

いつの間にか、聖者は博士の前に近く立っていた。ふしぎである。博士は、自分の現在の居場所を知るために、あたりに目を走らせた。依然として、同じ城壁の上に居るのであった。