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れいこんだいじゅうごうのひみつ

霊魂第十号の秘密

海野 十三

線上閱讀海野 十三《霊魂第十号の秘密(れいこんだいじゅうごうのひみつ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 43,100 字 · 86 頁

青空文庫

もっとも密航するのだから、親子は船艙の隅っこに窮屈な恰好をしていなければならなかった。

キラマン号をハノイで下りた。

それからフランスの飛行機に乗って上海へ飛んだ。そのとき親子は、小ざっぱりとした背広に身を包んでいた。

上海から或る島を経由してひそかに九州の港についた。いよいよ日本へ帰りついたのである。バリ港を親子が離れてから八十二日目のことであった。

「よくまあ、無事に帰って来られたものだ」

「やってみれば、機会をつかむ運にも出会うわけですね」

親子は、休むひまもなく自動車を雇って、そこから山越えをして四十五キロ先にある大きな都市へ潜入した。汽車の便はあったのであるが、それは避けた。

三日ほど身体を休ませたのち、いよいよ親子は東京へ向った。

これからがたいへんであった。親子の間には、ちゃんと打合わせがついているものの、果してそのとおりうまく行くかどうか分らなかった。もしどこかで尻尾をおさえられたが最後、えらいさわぎが起るにちがいなかった。ことに隆夫は、むずかしい大芝居を演じおおせなくてはならないのであった。それもやむを得ない。おそるべき妖力を持つあの霊魂第十号をうち倒して、隆夫が損傷なく無事に元の肉体をとり戻すためには、どうしてもやり遂げなくてはならない仕事だった。