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きりがくれいかほのゆけぶり

霧陰伊香保湯煙

三遊亭 円朝

線上閱讀三遊亭 円朝《霧陰伊香保湯煙(きりがくれいかほのゆけぶり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 117,546 字 · 234 頁

青空文庫

幸「チョッ静かにしねえか」

由「あ痛い……何うも是は痛い、暗いもんだからお茶棚の角へ頭を打附けました、木齋に此の角を円くさせて置いて下さいな」

幸「お前後生だから外へ出て一寸派出所へ届けるか、其処らに巡査さんが歩いて居たら御出張を願って来てくれねえか」

由「へえ……私は巡査は極いけねえんで、へえ何うも私は巡査さんを見ると何となく怖いので」

幸「お前は盗賊じゃあるめえし」

由「ないが何処ともなく巡査さんは凛々しくって怖味がありますから、私が届けちゃいけますまい、何卒是は一つお女中に願いましょう」

幸「チョッ……意気地がねえなア」

と云いながら倉前へ来て見ますと、緋の縮緬の扱きが一本、傍に浴衣が有りまして、ポタリ/\と血が垂れて居ますを見て由兵衞は慄え上り、

由「あゝ、血が、タ垂れて居ます、南無阿弥陀仏/\血と聞いたらまた腰が脱ッちまいました」

幸「えゝ、此方へ来な」

と漸々庭伝いに来て見ますと、庭に櫛だの簪が落ちてあって、向うを見ると桟橋の木戸が開いて居ます。

幸「ムヽ、……此処が開いて居るからにゃア此処からでも這入ったか知ら」

と呟きながら桟橋へ出て見ますと血が垂れて、其処におりゅうの寝衣浴衣と扱きが落ちてあった