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ろはんせんせいとかがく

露伴先生と科学

中谷 宇吉郎

線上閱讀中谷 宇吉郎《露伴先生と科学(ろはんせんせいとかがく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 7,198 字 · 15 頁

青空文庫

『思想』の『寺田寅彦追悼号』にある『寺田君をしのぶ』という露伴道人の文章には、寺田先生の「粋然たる風格」や「洽然として自ら好しとする」交遊ぶりに対する愛敬の情がのべられている。しかし露伴先生がそれよりもさらに愛敬されたのは寅彦の学問であって、「君に篳篥、笳の談をし、君から音波と物質分子位置の変化との関係をきく」ような静かな清談を楽しみとされたようである。

露伴先生が科学に興味をもっておられたのは、まだ若い時代からのことであったそうである。知らない世界へのあこがれ、新しい知識に対する情熱は、露伴の生涯を通じて変らないところであった。「七十を越した老人で、あのように小児のように、新しい事に溌剌たる興味をもつということが既に驚異だ」と小林君は書いている。したがって自分の専門の方面の学者と話をすることには、あまり興味がなく、科学者と会って新しい知識の話をきくのを大いに楽しみとされていたようである。

寺田先生の随筆の中に『鐘に釁る』という一文がある。冒頭に「この事に就いて幸田露伴博士の教を乞うたが」とあるとおり、こういう話などが両先生の清談の中に出て来る話題の一例である。